その名のとおり、羊から刈り取った毛が羊毛(ウール) です。中綿に使用される羊毛は敷き用には、衣類用に比べ腰のある「ストロングウール」と呼ばれる少し硬い質のウールです。最近ではメリノウールを贅沢に中綿に使用した掛けふとんもあります。 ウールが自然の恵みをたっぷり、もって生まれた天然繊維だから繊維自身が 呼吸したり、湿気などをうまく調節する機能を持っています。
羊毛は他の繊維にはない、多くの矛盾した性質がたくみに調和し合って存在しています。科学でも分からない数々の長所を持っている生きている繊維です。
 ・繊維がスプリングのように縮れています。
  ・水をはじく性質を持ちながら、水分をよく吸収します。
  ・洗濯などを乱暴にすると、フェルト化して縮んでしまいます。
ウールは一本一本の繊維がくるくる縮れております。 このクリンプと呼ばれる縮れのおかげで、ウール製品は 約60%もの空気を含んでいます。  乾いた空気は、断熱性のもっとも高い物質です。 だから中綿にウールを使えば冬は暖かく、 夏は涼しい環境で快眠が約束出来るわけです。
表面 は水をはじくけど、内部は湿気をたっぷり吸い取る不思議な性質があります。ウールの吸湿力は標準状態で綿の2倍、 ポリエステルの40倍。だからウールのふとんなら、 汗をかいても蒸れたりジメジメしたりせす、 梅雨時の蒸し暑さにもサラッと爽やかに熟睡できます。
繊維は湿気を吸着すると「吸着熱」と呼ばれる熱を発生します。ウールは他の繊維と比べると抜群の「吸着熱」を生み出してくれます。
中綿として使えば、睡眠中の汗を爽やかに吸い取り、さらに発熱して身体を冷やさないから健康的です。
ウールは羊毛の皮膚が変形したもので、生まれながらにして細菌に対する抗菌機能や消臭機能をもっている天然繊維です。直接肌に触れる肌着や寝具等にはぴったりの素材です。
ウールは合繊と違って、火源を取り除くとも燃えつづけることなく自然に消化致します。また燃えても煙の発生が少なく、有毒ガスが殆んど出ないことも最適の安全繊維なのです。
ウールは19種類のアミノ酸配列を基本としたタンパク質で出来ています。だからウールの持つ自然の特性は、リサイクル製品となっても利用価値が高いわけです。廃棄されれも土壌中の微生物によって完全に生分解され土に戻ります。