竹炭には根から水分や養分を吸い上げる仮導管が炭化収縮してできた非常に小さな微細管(写 真)が無数に存在します。ちょうど目の細かい管を束ねたフィルターののような構造となっています。この微細管フィルターが竹炭のすばらしい効能の源となっているのです。また竹炭は天日干しなどの外部エネルギーが加わると吸着していたものを放出する還元性をもっており、人工的に造られた活性炭との大きな違いはこの還元性にあります。
竹炭パワーの断面
竹炭は他の木炭に比べてタール分が少なく、灰分は2〜4%で他の木炭よりやや多く、珪酸を多く含んでいます。また燃料用としては火付きは良いのですが、立ち消えしやすいので不向きでしょうね。また、竹炭には活性珪酸と呼ばれる竹の成長過程で生成される特殊な物質が含まれており、他の木炭に比べて特にトリチルアミン(生臭さのもと)を吸着する能力に優れています。

竹炭に用いられる竹には、淡竹(ハチク)、真竹(マダケ)、孟宗竹(モウソウチク)がよく使われるようです。また、竹炭の用途に合わせて、同じ釜で低温度炭(400度)、中温度炭(600度〜700度)、高温度炭(1000度)で焼き分けができるのが大きな特徴です。ちなみに当社の用途は吸着用竹炭ですから中温度炭の範囲で炭焼きされます。 竹炭として炭焼き工程は、まず燻煙作業からはじまります。これは水蒸気を釜の内部で回流させながら乾燥させるもので釜の温度を1.5度程度づつ上げながら3〜4日かけて行います。つぎは炭化作業で、竹炭の用途に合わせて釜内温度を調節しながら40〜50時間ほどかけて炭化します。そして煙突から出る煙が無色になったら釜口や煙突を石や粘土で塞いで釜を密閉状態にして鎮火し、4〜5時間ほどかけて精錬、冷却します。

消臭や水質浄化など吸着効果 を目的とした商品(消臭剤や寝具など)には、あらゆる炭の中でも吸着力の最も優れた竹炭が適しています。ただし、料理の世界では備長炭が好まれています。これは、炭が硬く火持ちがいいこと、硫黄分が少なく臭いがないこと、燃料ガスに水分が少なく、白い灰分(セラミックス)が膜となって表面 を覆っているため赤外線を多く放射するので、焼きもの料理に使うと臭みがなくパリッと焼きあがるなど多くの優れた燃料特性をもっているからです。
竹炭の吸着には物理吸着と化学吸着とがあります。
物理吸着とは、分子間引力によって吸着する現象で、加熱や加圧などの外部エネルギーを加えることにより吸着分子を分離することができます。
化学吸着とは、表面に残留している酸素や水素からなるさまざまな化合物の官能基のイオン結合により吸着する現象のことです。これは外部エネルギーを加えても簡単には分離せず、吸着物質にもよりますが、やがて分解されます。
抗菌効果 というと菌が付かないの?と思われがちですが、殺菌や滅菌効果 があるわけではないので菌類が死滅することはありません。竹炭のもつ抗菌効果 は菌類の繁殖を抑制する抗菌抑制効果です。世の中の抗菌グッズをよくご覧ください。抗菌防臭加工済と明記されているものは全てこの抗菌抑制効果 があるということなのです。では何故、竹炭に抗菌抑制効果 があるのでしょう。それはPH値と大きく関係があります。竹炭をはじめ木炭のPH値は、弱アルカリ性〜アルカリ性なのです。菌類は弱酸性を好みます。 ですからアルカリ性物質の環境下では菌類が繁殖することができない・・・。だから抗菌抑制効果 がある!ということなのです。竹炭には他の木炭には含まれていない活性珪酸という強い抗菌力をもつ物質を多く含んでいます。竹炭が他の木炭より抗菌抑制効果 が強いのはそのためです。
空気中にはマイナスとプラスのイオンが存在し、空気が汚れていて湿度が高いときはプラスが多く、逆に空気が澄みきって湿度が低くすがすがしいときはマイナスが多くなる傾向にあります。森林や滝の周辺などは空気イオン化現象によりマイナスイオンが多く存在しているといわれています。では、炭はどのようにしてマイナスイオンを放出するのでしょうか。それは、空気イオン化現象によるものです。この空気イオン化現象とは、水分子が強制的に分離されるときにマイナスの電子を放出する現象のことです。滝などでは水が高いところから落下して水分子が分離し、マイナスイオンを多く発生します。また森林などでは、植物が呼吸することによって空気中の水分子を分離しマイナスイオンを発生します。世の中のマイナスイオン発生装置の多くは、植物の呼吸に似た霧吹き方式でできています。ご家庭にある霧吹きでも同じ現象が起こり多少なりともマイナスイオンは発生します。
炭の灰分は2〜3%ですが、この白い灰分はセラミックスと呼ばれ近赤外線を放射します。近赤外線とは波長2〜5マイクロメートルの放射線で別 名「熱線」とも呼ばれ、熱エネルギーに変化しやすく温熱効果 に優れた特性をもっています。
余談ですが、調理器具や暖房器具でよく「遠赤外線」という言葉を耳にしますが、この「遠赤外線」というのはあくまで呼称で、実際は「近赤外線」を放射して温熱効果 を得る器具がほとんどです。本来、遠赤外線というのは波長25マイクロメートル以上のもので、これは電波の分類に該当し温熱効果 はほとんどありません。赤外線カメラなどはこの遠赤外線です。まあ、誰が言い出したのかはしりませんが遠赤外線という言葉がここまで浸透してしまった今日、「近赤外線暖房器具・・・」売れませんよね。

炭の基本構造は、小さい炭素結晶が不規則に並んだ無定型炭素ですが、炭化温度が上がるにつれて結晶化が進み大きな結晶に成長します。これはグラファイト構造と呼ばれ、層と層の間をパイ電子が動き回ることにより電気を伝えやすくします。よく炭化した炭は電気をよく通 します。この通電特性により、炭がアースとなって静電気を除去してくれると言われています。実際、炭の精錬度を測定する装置もこの通 電特性を利用したものです。

資料提供:(株)ファイナル
また竹炭が最近において新聞でも科学的にも証明されています。
実験結果から推測しますと一枚のベッドパッドに40グラムの竹炭を使用すれば
なんと縦200cm、横100cm、高さ40cmの空間が有害な化学物質を取り除く空間として確保できる事になるのです。つまり、「ちくたん太郎」を一枚引けば寝ている環境は安眠効果 はもちろんの事、シックハウス対策にもなるのです。

シックハウス対策に一役
浄化や消臭などの環境浄化作用が木炭より優れているとされている竹炭。
最近の研究でシックハウス症候群の原因となる科学物質の除去に大きな効果 があることが分かり、企業も竹炭の機能を利用した内装剤の開発を進めている。
新潟薬科大の及川紀久雄助教授(環境安全科学)はシックハウスの主な原因物質とされる ホルムアルデヒドやトルエンなどを竹炭と一緒に密閉容器(10リットル)にいれて濃度の変化を測定した。その結果 、わずか0.5グラムの竹炭で、厚生労働省の指針値の数十〜数百倍あった濃度が24時間後までには検出されないぐらいの低濃度に減ったという。
及川助教授は「竹炭は有害な化学物質を取り除く優れたフィルター機能を持っている。 炭の品質や部屋の環境などによるが、6畳のスペースに2キロほどの炭を置けば充分な除去効果 が期待できる」と話している。


2001年5月2日 日経新聞記事抜粋